中国語の慣用表現です。「八字還没有一撇」「八字没見一撇」などとも。(「还」は日本の漢字に置き換えると「還」。)
PC環境に寄っては表題の文字が正しく表現されないかも知れないので画像も貼っておきます。
意味:
「八字」=「八」という文字
「還没」=まだ〜がない
「一撇」=「左はらい」
「八」という漢字の、最初の一画である「左はらい」もまだ書いていないこと。
=物事を行うにあたってまだ何も端緒についていない、の意。
原典では「八」は門が開いた状態のたとえで、両開きの門の片方すらもまだ開いていない、と言う比喩から転じたとする解説もあります。自国の文化である漢字の、形や書き順を比喩表現に応用するというのは面白いですね。
用例はこんな感じでしょうか。
「今持っているリソースを活かして、新しい事業を始めたいけど、まだ構想の段階で何も始まっていない。"八字還没一撇"だ。」
以下参考までに。
中国語で「撇」(ピィェ)と言うのは漢字の「丿」の部分のこと。
二画目の右はらいは「捺」(ナァ)と言います。
漢字を構成するそれぞれの画には名称があって、例えば:
「一」は「横」
「丨」は「竪」
「亅」は「竪鉤」
「乚」は「竪弯鉤」などと言います。
神戸の中国人小学校では、新しい漢字を習う時、
一画一画ごとにその名前を読みながら覚えたりしていました。
例えば「扎」という漢字なら「横、竪鉤、提、竪弯鉤」という風に。
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