ブラウン社におけるラムス氏の仕事を中心に同時代の他社製品なども展示されており、バウハウスからウルム造形大へと連なる機能主義的モダンデザインの軌跡が一堂に集められた、非常に良く構成された展覧会です。
最初期の作品のひとつとして展示されていた「白雪姫の柩」と称されるオーディオSK-4から、10年以上の時を経てデザインされたオーディオ300まで、時代が変わって素材や機構が進化しても、そのデザイン思想は揺るぐこと無く一貫性を保っていることが確認できます。ブラウン社のブランドアイデンティティは製品デザイン抜きに語ることはできませんが、明快で力強いデザイン言語の獲得に、ラムス始めデザイナーたちが尽力し続けたことがうかがい知れます。
私個人にとっては、デザインを志すようになった頃の気持ちを思い出させてくれるような、改めて勇気を与えられたようなそんな展覧会でした。
会場で販売していたカタログは、一展覧会の図録というレベルを遥かに超えた、内容の濃い、資料価値の高いものであることも付け加えておきます。
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