見慣れない街にたどり着いた
見慣れない服にくるまってた
さようならばかりの三月が
終わる春の日に
という詞で始まるザ・カスタネッツの「ムーンパレス」。
10数年前の今頃の時期にFMヨコハマでヘビーローテーションされていたこの曲を、当時横浜に住んでいた私は自分が社会に出た頃を思い出しながら聞いていました。
今日は3月31日で、明日から新しい年度が始まります。
スーツに着られて鞄に持たれてるような、どうにもおさまりの悪い若者たちが通勤電車にデビューする4月。周囲の環境が一気に変わって、自分の思っている自分らしさをどこかに置き忘れてしまったような寂しさを感じる日が続くかもしれません。
私が大学を卒業したのはもう20年以上も前ですが、卒業式で教授が私たち卒業生に語った言葉を今でも憶えてます。
春のある日、都会の大きな駅の雑踏の中で、今まさに地方から出て来たであろう若者が荷物の上に腰を下ろしてじっとしていた。何か困ったことでもあるのかと思い声をかけてみると彼は言った。
「私の体はあまりにも早くここへ来てしまったので、心がまだ故郷にあるのです。だからここでこうして心が体に追いつくのを待っているのです」
たしかに私の場合も就職してしばらくの間はこの若者のように心がついてこない状態が続きましたが、がむしゃらにやっているうちに「いつの間にか見慣れてた街は 少しだけ笑いかけてくれる」ようになりました。明日から環境が変わる皆さんも、心に余裕を持って、ときどき立ち止まってもいいから、自分を失わずに。
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