20120602

良い製品はあこがれと共感を生む親善大使になれる



ある先輩デザイナーとの酒席で子供の頃の遊びが話題になり、コマ回しやヨーヨーの話しになった時にふと思いだしたのですが、私が近所の駄菓子屋で買ってもらったヨーヨーはアルミのプレスで出来たような、缶バッジのような安物だったのに対し、コカ・コーラの景品で当たるヨーヨーは鮮やかな原色のボディが透明のアクリル樹脂に包まれた、(小学生だった自分からすると)高級感あふれるものでした。アメリカの製品はやっぱりすごいなと思っていた記憶があります。

私が子供の頃は電気製品にしろ自動車にしろ、衣類や玩具でもまだ外国製の工業製品に対するあこがれのようなものがありました。大学でデザイン学生だった頃は、POPEYEやBRUTUSなどの雑誌で紹介されるアメリカやイタリア、ドイツの製品を食い入るように眺めながらいったいこの国の人たちはどんな生活をしていて、どんなものの考え方をしているのだろうと想像したものです。ものづくりには必ず文化的背景が反映されるもので、どの部分にこだわりを持って完成させるのか、やはり作り手の考え方がそこに現れるものだと思います。

現在、海外進出を考える日本企業は過去のように大企業に限らなくなって来ていると思います。こだわりを持ってものづくりに取り組んでいる企業が海外に進出していく動きは今後加速するかと思いますが、海外の人たちにとって今よりもっと様々な日本製品に触れる機会が増えれば、日本文化に対する興味や理解も深まるのではないかと私は密かに期待しています。そしてそのような動きを積極的にサポートしていきたいと思っています。





先日マスメディアの取材を受けたのですが、記事になった内容は私の意図とは少し違ったもので、残念な思いをすると同時に取材対応の難しさを実感しました。私は中国企業の製品デザインの依頼を受けることもありますが「中国企業の日本向けのデザイン支援を始めた」ということではありません。むしろ中国はこれからも巨大な市場として、日本企業が積極的に打って出なければならない重点地域であり、そのような日本企業のサポートをすることが理想です。

0 件のコメント:

コメントを投稿