信楽焼と聞くと真っ先にタヌキの置物を連想してしまう私ですが、信楽は日本六古窯にも数えられる、伝統ある陶器産地です。
その信楽の里、滋賀県の窯業技術試験場が光を透過する陶器を開発したというニュース映像を見ました。陶土に石英ガラスの粉末を混ぜて焼くのだとか。見た映像では成型した壺を乾燥させた後、表面を切削加工して肉厚に変化をつけ、明暗のニュアンスがある透過光が美しい製品に仕上がっていました。(下記リンク参照:残念ながら映像は既に更新されて見られなくなっていますが)
この素材を使った照明器具が紹介されていましたが、繊細でぬくもりのある光の質感が魅力的でした。アラバスターのようでもありますが、希少な上に加工も取り扱いも制約の多いそれに比べるとずっと身近な素材です。開発に4年かかったとのことでしたが、伝統的な信楽焼に新しい価値が一つ加わったと言えるでしょう。
「信楽透器(しがらきとうき)」と名付けられたそうです。信楽というブランドを前面に出していること、音を聞くだけだと普通の「とうき」のようだけれど実は「透器」なのだと説明するところでコミュニケーションのきっかけになること、そして短くて言いやすいこと。これらが凝縮されていて良いネーミングだと思います。
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